母乳の出が悪いことで自信を無くした日々について(かおママ)

母乳をあげるのが楽しみだった出産前の私

念願のベビー!授乳が楽しみだったのに

いよいよ臨月となり出産を控えていたとき、私はこれからスタートする育児に対してもやる気にあふれていました。待ち焦がれていた妊娠。2度の流産を経てやっとの思いでたどり着いた出産。ちゅっちゅっと私のおっぱいを吸う我が子のかわいい姿ばかりを思い浮かべながら過ごしていたんです。まさか自分の母乳の出が悪いなんて・・・。そんなこと一度だって考えたことはありませんでした。

私が出産した産院は小さなところで、そのとき入院していたのは5人。私と同じ日に赤ちゃんを産んだ人はひとりでした。日中の授乳時間は決まっていたので、毎日同じ時間に5人が授乳室へ集まります。おとなしくどんどんおっぱいを吸っていく周りの赤ちゃん。対して私の赤ちゃんは、母乳の出が悪いからなのか少し吸っては泣き叫び、少し吸っては泣き叫びでまったく授乳が進みません。おまけに泣きすぎて疲れてしまったのか、ほとんどおっぱいを吸わないままに眠ってしまうことさえあったんです。他のお母さんがさっと授乳を終えて帰っていくなか、ひとりいつまでも授乳室で泣き叫ぶ子どもをあやしているのは、泣いてしまいそうなくらい辛い経験でした。

母乳が出ないことで、母親失格かも・・・と思いました

母乳が出なくて悩んだAママ

今ならわかります。日中の決められた時間、それも数分間だけの授乳で母乳が出るようになる人ばかりではないんです。母乳の出が悪いことを改善するのに必要なのは、頻回授乳。それも夜中の授乳が特に大切だと言われています。だけど、私が子どもを生んだ産院では、出産後2日の間は、夜間に赤ちゃんを預かってくれるんです。さらに私の場合、出産して3日目からも母子同室でいられたのは数時間だけでした。子どもの黄だんの数値が高く、夜間も母乳にしてしまうといっしょに退院できない可能性があると言われてしまったからです。母乳の出が悪いのも当然だったのかもしれません。

昼間に数分ずつしか会えない我が子。授乳前後に体重を量っても、2gとか5gとかほんのわずかしか変化がありません。授乳量を記録する紙で同じ日に出産したお母さんの欄をみてみると「20g」とか「30g」なんて書かれているんです。他のお母さんはまだわかる。私より先に子どもを産んだんだもの、私よりもおっぱいがでて当たり前。だけど同じに産んだこのお母さんまで・・・。それを考えると、母乳の出が悪い私は、母親失格だと言われたような気がしていました。

ミルク育児は、忙しくて母乳育児ができなかったり、旦那さんにも育児を手伝ってもらえる人がするもの。だから専業主婦の私は、母乳育児でしっかり育てあげるんだ!そうワクワクしていた私の心はどんどん荒んでいきました。退院する出産から6日目にもまだ母乳の出が悪いのは変わっておらず、母としての自信はゼロに近いような状態になってしまったんです。

その後・・・

退院して、赤ちゃんが望むだけおっぱいをあげるようにしたことで、母乳の出が悪いことに悩んでいたのが嘘のように私のおっぱいは張るようになりました。だけど、それまでのあの辛い気持ち。辛い妊娠期間を耐えきったというのに、母乳の出が悪いことで母として胸を張ることができないあの悲しさは、ずっと忘れることができません。