今度は飲んでくれる?授乳前の不安感(さおママ)

母乳が出なくて授乳時間が怖かった

授乳が怖かった
出産してから半日後、私も他のお母さんたちと同じように3時間おきの授乳室通いが始まりました。ガーゼタオルに名札、乳首に塗る軟膏や授乳クッション、そしておしりふき。必要な道具をバッグにつめて部屋を出るのですが、日が進むにつれて、授乳前になると私の足は重くなっていきました。出産前は想像もできなかった授乳前の不安感。それはすべて、母乳がきちんと出ていない、赤ちゃんに十分な量のおっぱいをあげられていないという怖さからくるものでした。

授乳室に入ると、まずは手をアルコールで消毒して赤ちゃんの体重を測ってもらってから授乳を始めます。授乳前に一番不安を感じるのは、看護師さんから赤ちゃんを受け取った瞬間でした。顔も身体もまだまだふにゃっとしていて、小さくて、かわいい赤ちゃん。かわいくて仕方がないのに、泣いているこの子にちゃんとおっぱいをあげられない自分が情けなくてたまりませんでした。時には赤ちゃんの方が、おっぱいを吸う準備ができていないときもありました。とにかく眠いらしく、乳首をくわえようとしなかったり、やっとくわえたと思ったらそのままスヤスヤと眠り始めてしまったり。考えてみれば当然なんです。母乳が足りない分はミルクで補っていたわけで、授乳前とはいえまだそれほどお腹がすいていなければ、なかなか母乳の出てこないおっぱいを吸おうとなんて思えませんよね。

授乳前の不安感、知識があれば感じる必要がなかったかも

授乳知識は大事
今なら「お腹へって泣くまで待とうか~」と軽く考えられます。だけど入院中は、自分がおっぱいをあげたときに、赤ちゃんがおっぱいを飲んでくれないという事実が不安で仕方がありませんでした。この授乳前の不安感。今思えばこれもまた、入院中に母乳が出なかった理由ではないかと思っています。本来なら産んだばかりの赤ちゃんと触れ合うことのできる楽しい時間のはずの授乳が、この不安感によって苦痛なってしまっていました。

授乳前に不安を感じ、それがストレスとなって母乳が出るのを妨げていたのではないかと思うんです。授乳室にいる他のお母さんは、きちんと母乳を出して母としての役割をまっとうしている。それなのにどうして私は・・・。そんな自分を責める気持ちは、不安やストレスの元にしかなりません。母乳が出産後すぐに出るようになる人もいれば、なかなか出ない人もいる。私には、この知識が完全に抜けていました。それはなぐさめでもなんでもなく、事実なんですよね。きちんとした授乳知識を持って、心の準備をして、赤ちゃんと触れ合うことができていれば、授乳前の不安をあまり感じることなく、母乳育児を始めることができていたのかもしれないと思っています。