保育器で育った娘と私の母乳(みきママ)

生まれてすぐ保育器に入った娘

保育器では母乳がうまく吸えない
うちの娘は38週で生まれたにもかかわらず、2000グラムちょっとの小さな体だったので、1週間ほど保育器に入りました。本来なら生まれて間もなく母乳を飲む練習を始めるところなのでしょうが、保育器から出ることができなかったため、母乳を哺乳瓶に絞ってNICUに届け、スタッフの方が飲ませるという日々が続きました。数日後、やっと保育器から出て、自分の手で赤ちゃんを抱き、母乳を飲ませることができる日がやってきました。感動でした。でも、それまで哺乳瓶で飲んできた娘は嫌がるそぶりを見せ、なかなか上手に飲んでくれません。母子同室になってからも小さくて体力がないからなのか、ちょっと吸い付いては飲んでいるのかいないのかわからないうちに眠ってしまう、そんな状態でした。病院ではミルクも追加して与えていました。「体重が2500グラムまで増えていれば退院できますよ」と言われた日も、ちょっと飲んでは眠ってしまい、母乳を飲んでくれないことに焦っていた私は「どうして飲んでくれないの、寝ちゃダメ、退院できないよ」と涙ながらに小さな赤ちゃんをを揺さぶっていました。目標の体重までは少し届かなかったものの、健康上は問題ないと言うことで、なんとか十日後には無事退院できました。

不安だらけの退院後の生活

退院後、家に帰ってきてからは、ひたすら授乳とオムツで一日が終わっていた記憶しかありません。産後すぐに保育器に入った娘は、相変わらずちょっと飲んではすぐにやめ、すぐにお腹を空かせて泣く、の繰り返し。育児書には「赤ちゃんの授乳は3時間ごと」のように書かれていましたがそんなこと全く当てはまらず。2時間も空けばいいほうで、1時間で次の授乳なんてこともザラでした。そんな状態だったので、私の母乳もきちんと作られているのか、きちんと出ているのかもわからず「もしかしたら、出ていないからまとめて飲めず、すぐにお腹がすくのでは。それとも、母乳が娘が嫌がるような味なのか」と、とても不安でした。また、満足な体重で産んであげられなかったことについて、1週間保育器に入ってしまったことについて、自分をとても責めてしまっていました。

赤ちゃんにも性格がある

赤ちゃんにも性格がある
自宅では、母乳の後にミルクを与えていました。ですが、しばらくして今度は哺乳瓶を嫌がるようになりました。そうなると、更に私の不安は大きくなりました。ミルクも嫌がるようになってしまったら、ますます体重が増えないのではないか・・・そんな状況で1か月たち、保健士さんの訪問がありました。私はそれまで抱えていた不安を聞いてもらいました。母乳が出てないんじゃないか。不味いんじゃないか。保育器に入っていたことでハンデがあるのではないか。ミルクさえ飲まなくなってしまったらどうしたらいいのか。保健士さんは、不安でいっぱいの私に、優しくひとつひとつの質問に答えてくれました。「赤ちゃんにも個人差があるから育児書通りにいかないことも多いですよ。健康体だし、緩やかな増え方ではあるけれど体重も増えているから大丈夫。ミルクを嫌がるなら、もう母乳だけでも大丈夫」と言ってくれました。それで随分気持ちが軽くなりました。

赤ちゃんにもきっと、その子の性格があるんでしょうね。その日から、完全母乳になりましたが、相変わらずちまちま飲みを続けていた娘。「3か月を過ぎた赤ちゃんは、まとめて飲んでまとめて寝てくれるようになる」という情報も全く無視した生活を続けていましたが、母乳生活もだんだんと軌道に乗り、私も少し力を抜いて育てられるようになっていきました。